オーストラリアでもっとも愛されている小売最大手の1社であるKマートは、50年以上にわたり、顧客の日々の生活になくてはならない存在となっています。1969年に小さな店を開いて以来、良心的な価格を貫き、顧客の日常生活を支えてきました。Kマートは製品開発をリードする企業として知られ、従業員数は44,000名超、オーストラリアとニュージーランド全域にわたり300以上の支店を展開しています。Kマートの規模拡張およびソーシング能力は低価格のビジネスモデルの基盤となり、揺るぎない最安値の提供を可能にしています。
デジタル革命をサポート
オーストラリア人の84%がいずれかの店舗の10キロ圏内に居住しているという環境において、Kマートは多くのコミュニティで実店舗の強固なプレゼンスを築いています。一方で、デジタルビジネスへの投資も継続的に行い、市場をリードするパーソナライズされたオムニチャネルのエクスペリエンスを強化して、顧客エンゲージメントを深めています。Kマートチームはそれを向上させていく方法の模索を続け、データとテクノロジーに投資することで、運用効率を高め、顧客へのさらに優れた価値の提供に尽力しています。2020年、Kマートはプロセスの基盤改造を開始し、既存のインフラストラクチャやシステムの評価と新たなソリューションのソーシングを実施して、このデジタル進化の支援と促進を進めてきました。Kマートの変革の核となったのは、オンラインと店舗全体にわたる販売時点情報管理(POS)システムでピークパフォーマンスを提供し、システムの弾性を高めて顧客体験を強化することでした。また、Kマートは可視性を高めることも必要としていました。ウェブサイトにどのようなアクセスがあるのか、また顧客の購買ジャーニー、すなわちウェブサイト訪問からチェックアウトに至るまでに関して、信頼できるデータがなかったのです。Kマート、テクニカルリードのNicholas Potesta氏は次のように述べています。「ここ数年、私たちはデジタル施作として、ウェブサイトを改善することで顧客体験の向上につなげるための好機を見出し、拡大する顧客ニーズによりよい形で応えていくためのインサイトも多く得ていました。
突きつめて言えば、私たちには、スタック全体にわたるリアルタイムの可視性が得られ、アラートだけでなく製品管理とKマートのお客様の顧客体験全般を向上できるデータを与えてくれるソリューションを必要としていました。」
ピークパフォーマンスを確実にするオブザーバビリティ
DXに対応していくため、KマートはNew Relicと協力し、オールインワンのオブザーバビリティプラットフォームを展開しました。スタック全体でピークパフォーマンスを提供しながら、アプリケーション環境と顧客体験のどちらも確実に先回りして理解できるソリューションを実現しました。Kマートは、New Relicのアプリケーションパフォーマンス監視(APM)を使用して異常を特定し、ブラウザ監視でウェブページのパフォーマンスの完全な可視性を得て、さらに外形監視でユーザージャーニーの監視とシミュレーションを行い、Slackにインテリジェントアラートを組み込みしました。また、Kマートは、大型のオンラインイベントのテストと準備にも外形監視を使用しました。例えば、クリスマスの購買時期に先駆けたユーザージャーニーの事前シミュレーションなどです。New Relicは、プロアクティブな異常レポートの生成にも活用されました。「New Relicは、チーム全体の業務のやり方を一変させました」とPotesta氏は言います。「アラートが特定のメンバーだけに送信されていた以前のシステムとは違い、New RelicはSlackとシームレスに統合されており、ひとつの問題を複数の人間が確認できるため、誰かが対応できるとなれば、その人が対応してくれます」
また、New Relicでダッシュボードを作成し、Kマートはユーザーの行動と在庫変動を追跡できるようにもなりました。一連のメトリクスを使用して問題を発見し、傾向を確認することができます。
データドリブンな生産性
Kマートは、New Relicでスタック全体にわたるオールインワンのオブザーバビリティを提供するというビジョンを実現しました。チームがインフラストラクチャやオンラインアクティビティ、製品データ、顧客行動を監視することができるようになったおかげで、この6か月で99.9%のアップタイム、17分のMTTD(平均障害検出時間)、そして2時間以内のMTTR(平均修復時間)を達成しました。また、New Relicは、毎日数百万にのぼる在庫管理の監視と分析にも使用されています。しかも、これがすべてひとつのシステムで実行できるようになりました。
このソリューションは、ブラックフライデーやイースター、クリスマスなど、複数のピーク期のオンラインショッピングイベントのサポートにもデプロイされています。
「New Relicは、Kマートに詳細な可視性とフルスタックオブザーバビリティを生み出しています」とPotesta氏は言います。「これにより、私たちは実践を標準化し、リアルタイムのデータに基づく信頼できる唯一のソースを得られるようになりました。これを活用し、単なる「良い」「悪い」を超えた有意義なメトリクスをもって事業を展開し、意思決定の際に活用できるインサイトを提供できます。
New Relicを導入して以来、Kマートでは開発者の生産性が向上し、サイト信頼性エンジニアリング部門が立ち上げられました。そのおかげで、開発チームには新機能や新製品に注力できる時間が生まれました。さらに、この事業では現在、平均して1日4.4回が本番環境にデプロイされ、変更障害率は0.01%をわずかに超える程度を記録しています。
また、New Relicのダッシュボードより、組織全体のデータが民主化され、現在では最高幹部を含む複数のチームが活用しています。
「New RelicがKマートのオペレーションに与えたインパクトは、単にパフォーマンスだけではありません」とNicholasは言います。「データを民主化し、いつでもデータにアクセスできる能力を提供することで、New Relicは私たちのチームと組織全体に文化的なシフトをもたらしたのです」
KマートにおけるオールインワンのオブザーバビリティプラットフォームとしてのNew Relicの導入は、これからも、実店舗とオンラインの未来の成長をサポートするために有用なインサイトを提供していきます。