オブザーバビリティを構成する17の機能について、昨年と比較して調査時点で回答者が導入済みのものは何か、今後2〜3年間にかけて導入予定のものは何かなど、さまざまな情報を掘り下げました。
機能別ハイライト:
セキュリティ監視を導入済み
インフラ監視を導入済み
ログ管理を導入済み
アプリケーションパフォーマンス監視を導入済み
Kubernetes監視を導入済み
AIOps(IT運用のための人工知能)
人工知能(AI)を活用してプロセスを改善し、インサイトを得る。
41%の回答者が、AIOpsを導入済みと回答(2022年から10%増)。対前年比(YoY)では大幅な増加ではあるものの、AIOpsはもっとも導入の少ない機能のひとつです。しかし、27%が来年の導入を予定していると回答しており、14%が今後2〜3年での導入を予定しています。これらの結果は、2024年までに68%、2026年までに82%がAIOpsの導入を計画していることを意味します。わずか11%がAIOpsを導入しない予定はないと答え、7%が導入するかわからないと答えました。
アジア太平洋の回答者は、現時点でAIOpsを導入しているとの回答がもっとも多く見られました(48%)。一方、現時点でAIOpsを導入しておらず、追加の予定もないとの回答は、アジア太平洋(9%)、欧州(7%)に比べ、北米の回答者(17%)にもっとも多く見られました。
まだAIOpsを導入していない回答者にとって、その戦略は再考に値します。現時点でAIOpsを導入しているとした回答者の70%が、自社組織の平均復旧時間(MTTR)はオブザーバビリティを導入してから改善したと回答し、そのうち37%は25%以上の改善を報告しています。
今後1年で、自社組織がインシデントの検知と修正のワークフローにどの程度AIOpsを使用する予定かについて尋ねたところ、アラート等の手動設定(マニュアル型)を予定しているとの回答(44%)が、AI主導(26%)、手動設定とAI主導を同程度に利用する予定という回答(26%)より大幅に多くなりました。次年度以降、AIOpsの導入を計画していると回答した回答者のうち、40%はより手動設定(マニュアル型)を、25%はAI主導型を予定していると答えました。
AIOpsを導入済み
アラート
エラーなどの重要なイベントを基に異常状態を通知する。
3分の2(66%)の回答者が、アラートを導入済みと答えました(2022年から27%増)。これは今年も、もっとも導入されている機能の第4位となっています。さらに、20%が来年の導入を予定しており、8%が今後2〜3年での導入を予定しています。これらの結果は、2024年までに86%、2026年までに94%がアラートの導入を計画していることを意味します。わずか4%がアラートを導入しない予定と答え、3%は導入するかわからないと答えました。
アラートを導入しているとの回答は、北米の回答者(78%)にもっとも多く見られ、アジア太平洋(59%)でもっとも少なくなりました。
現在アラートを導入しているとした回答者の3分の2以上(67%)が、オブザーバビリティを導入してから自社組織のMTTRが改善したと回答し、そのうち32%は25%以上の改善を報告しています。
加えて、2年連続で、データはアラートと平均検出時間(MTTD)/MTTRの短縮(30分未満)との有意な関連性を示しています。
アラートを導入済み
アプリケーションパフォーマンス監視(APM)
アプリケーションのパフォーマンスとエラーを監視する。
半数以上(53%)の回答者が、APMを導入済みであり(2022年から17%増)、25%が来年の導入を、11%が今後2〜3年での導入を予定しています。これらの結果は、2024年までに78%、2026年までに89%がAPMの導入を計画していることを意味します。わずか6%がAPMを導入しない予定と答え、5%が導入するかわからないと答えました。
北米の回答者(10%)は、アジア太平洋(4%)、欧州(4%)に比べ、現時点でAPMを導入しておらず、追加の予定もないとの回答がもっとも多い傾向にありました。
現在APMを導入しているとした回答者の3分の2以上(69%)が、オブザーバビリティを導入してから自社組織のMTTRが改善したと回答し、そのうち35%は25%以上の改善を報告しています。
APMまたはサーバレス監視、あるいは両方が、本レポートで定義するところのフルスタックオブザーバビリティに求められています。
APMを導入済み
ブラウザ監視
ブラウザやウェブアプリケーションのアクティビティ、およびパフォーマンスを追跡する。
半数以上(55%)の回答者が、ブラウザ監視を導入済みであり(2022年から12%増)、21%が来年中の導入を、9%が今後2〜3年での導入を予定しています。これらの結果は、2024年までに75%、2026年までに84%がブラウザ監視の導入を計画していることを意味します。ブラウザ監視を導入しない予定との回答は10%のみで、6%が不明でした。
北米の回答者(18%)は、他地域のアジア太平洋(6%)、欧州(7%)に比べ、現時点でブラウザ監視を導入しておらず、追加の予定もないとの回答がもっとも多い傾向にありました。
これらの導入計画は、35%が顧客体験管理への注目が高まっていることが、自社組織のオブザーバビリティニーズを促進すると回答し、34%がオブザーバビリティにより顧客行動への理解が深まることで収益維持率が向上すると回答している事実と合致します(ブラウザ監視は、リアルユーザーモニタリングおよびデジタルエクスペリエンスモニタリング(DEM)のいずれにおいても重要な構成要素です)。
現在ブラウザ管理を導入しているとした回答者の約3分の2(64%)が、オブザーバビリティを導入してから自社組織の平均復旧時間MTTRが改善したと回答し、そのうち33%はMTTRが25%以上改善されたと報告しています。
4分の1以上(27%)の回答者が、自社のオブザーバビリティソリューションによる主な恩恵はリアルユーザー体験の改善であると回答しました。また17%が、もし組織がオブザーバビリティソリューションを持たなかった場合、もっとも重大なビジネスの結果は、悪化した顧客体験による評判の低下であると回答しました。
ブラウザ監視、モバイル監視、外形監視のいずれか、またこの3項目の組み合わせが、本レポートで定義するところのフルスタックオブザーバビリティの実現に必要です。
ブラウザ監視を導入済み
ダッシュボード
重要な監視メトリクスの概要を提供する。
ほぼ3分の2(65%)が、ダッシュボードを導入済み(2022年から40%増、すべての機能の中で対前年比で最大の増加)で、19%が来年に、8%が今後2〜3年での導入を予定しています。これらの結果は、2024年までに85%、2026年までに92%がダッシュボードの導入を計画していることを意味します。ダッシュボードを導入しない予定との回答は5%のみで、3%が不明と回答しました。
現在ダッシュボードを導入しているとの回答は、北米の回答者(73%)にもっとも多く見られ、アジア太平洋(60%)でもっとも少なくなりました。欧州の回答者(2%)は、アジア太平洋(6%)、北米(5%)に比べ、現在ダッシュボードを導入しておらず、追加の予定もないとの回答がもっとも少ない傾向にありました。
現在ダッシュボードを導入しているとした回答者の3分の2以上(68%)が、オブザーバビリティを導入してから自社組織のMTTRが改善したと回答し、そのうち35%はMTTRが25%以上改善したと報告しています。
IT意思決定者(ITDM)の回答者の約3分の1(32%)は、オブザーバビリティが最も業務改善に役立ったのは、一つのダッシュボードでデータを可視化できるようになったことだと回答しています。
加えて、2年連続で、データはダッシュボードとMTTD/MTTRの短縮(30分未満)との有意な関連性を示しています。
ただし、ユーザーにテレメトリーデータと幅広い可視性を提供している、と答えたのは27%のみでした。また、組織のテレメトリデータがビジネス状況と関連づけられ、イベントやインシデントのビジネス影響を数値化しているとの回答は、27%のみでした。
ダッシュボードを導入済み
データベース監視
データベースのパフォーマンスを測定、最適化するために不可欠なパフォーマンスメトリクスを収集する。
回答者の3分の2以上(68%)が、データベース監視を導入済みでした(2022年から27%増)。これは昨年のレポートから引き続きもっとも導入されている機能の第3位となっています。さらに、18%が今後1年以内に、7%が今後2〜3年以内に導入を予定していました。これらの結果は、2024年までに86%、2026年までに93%が、データベース監視の導入を計画していることを意味します。データベース監視を導入しない予定との回答は5%のみで、2%が不明でした。
また、現在データベース監視を導入しているとした回答者の3分の2以上(68%)が、オブザーバビリティを導入してから自社組織のMTTRが改善したと回答し、そのうち34%は25%以上の改善を報告しています。
データベース監視、インフラストラクチャ監視、ネットワーク監視、またこの3項目の組み合わせが、フルスタックオブザーバビリティ(当レポート内の定義において)に求められています。
データベース監視を導入済み
ディストリビューティッド(分散)トレーシング
ディストリビューティッド(分散)システムを通過するサービスリクエストを追跡、監視する。
ディストリビューティッド(分散)トレーシングを導入済みの回答者は、29%にとどまりました(2022年から20%減)。29%が来年の導入イを予定しており、15%が今後2〜3年での導入を計画しています。ディストリビューティッド(分散)トレーシングは導入が少ない機能の第3位だったものの、58%が2024年までに、73%が2026年までにディストリビューティッド(分散)トレーシングを導入予定であることを意味します。ただし、ディストリビューティッド(分散)トレーシングの導入を予定していない、導入するかわからないと回答したのは13%でした。
ディストリビューティッド(分散)トレーシングを導入しているとの回答は、アジア太平洋の回答者(84%)にもっとも多く見られ、北米(54%)でもっとも少なくなりました。
現在ディストリビューティッド(分散)トレーシングを導入しているとした回答者の約3分の2(65%)が、オブザーバビリティを導入してから自社組織のMTTRが改善したと回答し、そのうち36%は25%以上の改善したと報告しています。
ディストリビューティッド(分散)トレーシングを導入済み
エラー追跡
エラーを追跡、トレースして、問題のトラブルシューティングを行う。
半数(50%)の回答者が、エラー追跡を導入済みであり(2022年から3%増)、26%が来年の導入を、10%が今後2〜3年での導入を予定しています。これらの結果は、2024年までに76%、2026年までに86%がエラー追跡の導入を計画していることを意味します。わずか8%がエラー追跡を導入しない予定と答え、7%が導入するかわからないと答えました。
北米の回答者(11%)は、アジア太平洋(6%)、欧州(8%)に比べ、現時点でエラー追跡を導入しておらず、今後導入する予定もないとの回答がもっとも多い傾向にありました。
エラー追跡機能を導入している、と答えた3分の2以上(69%)が、オブザーバビリティを導入してから自社組織のMTTRが改善したと回答し、そのうち36%はMTTRが25%以上改善したと報告しています。
さらに、データはエラー追跡とMTTD/MTTRの短縮(30分未満)との有意な関連性を示しています。
エラー追跡を導入済み
インフラストラクチャ監視
サーバーなどのネットワークインフラストラクチャを監視する。
ほぼ3分の2(65%)の回答者が、インフラストラクチャ管理を導入済み(2022年から28%増)で、これはもっとも導入されている機能の第6位でした。20%が来年の導入を予定しており、8%が今後2〜3年での導入を予定しています。これらの結果は、2024年までに85%、2026年までに93%がインフラストラクチャ追跡の導入を計画していることを意味します。わずか4%がインフラストラクチャ監視を導入しない予定と答え、3%が導入するかわからないと答えました。
インフラストラクチャ監視を導入しているとの回答は、北米の回答者(78%)にもっとも多く見られ、アジア太平洋(58%)でもっとも少なくなりました。
インフラストラクチャ監視を導入しているとした回答者の3分の2以上(68%)が、オブザーバビリティを導入してから自社組織のMTTRが改善したと回答し、そのうち34%は25%以上の改善を報告しています。
加えて、2年連続で、調査結果はインフラストラクチャ監視とMTTD/MTTRの短縮(30分未満)との有意な関連性を示しています。
インフラストラクチャ監視、データベース監視、ネットワーク監視、またはこの3項目の組み合わせが、本レポートで定義するところのフルスタックオブザーバビリティに求められています。
インフラストラクチャ監視を導入済み
Kubernetes監視
クラスターやワークロードへの可視性を提供し、Kubernetes(K8s)環境の監視を行う。
29%の回答者が、Kubernetes監視を導入済みであり(2022年から15%減)、27%が来年の導入を、16%が今後2〜3年での導入を予定しています。これは、Kubernetes監視は導入が少ない性能の第2位だったものの、55%が2024年までに、71%が2026年までにKubernetes監視の導入を計画していることを意味します。ただし、Kubernetes監視を導入しない予定と答えたのは16%で、13%が導入するかわからないと答えました。
北米の回答者(23%)は、アジア太平洋(14%)、欧州(14%)に比べ、現時点でKubernetes監視を導入しておらず、追加の予定もないとの回答がもっとも多い傾向にありました。
これらの結果は、38%がクラウドネイティブアプリケーションアーキテクチャが自社組織におけるオブザーバビリティニーズの促進要因であると回答した事実に合致しています。これが要因だとする回答は、IT/テレコミュニケーション業界の回答者にもっとも多く(48%)、次いで医療/製薬(45%)、サービス/コンサルティング(40%)で、一方、もっとも少ないのは政府機関(22%)、次いで非営利組織(23%)、教育(28%)でした。また、28%が、アプリケーションとワークロードのコンテナ化が自社組織におけるオブザーバビリティニーズの促進要因であると回答しています。これが要因だとする回答者は、小売/消費者業界にもっとも多く(34%)、次いで金融/保険(32%)、一方でもっとも少ないのはエネルギー/ユーティリティ(21%)でした。
Kubernetes監視を導入しているとした回答者の3分の2以上(69%)が、オブザーバビリティの導入以降に自社組織のMTTRが改善したと回答し、そのうち39%は25%以上の改善したと報告しています。
さらに、データはKubernetes監視とMTTD/MTTRの短縮(30分未満)との有意な関連性を示しています。
Kubernetes監視を導入済み
ログ管理
エラーとイベントログを保管、検索する。
回答者のほぼ3分の2(62%)のが、ログ管理を導入済み(2022年から22%増)で、これはもっとも導入されている機能の第7位でした。さらに、21%が来年、9%が今後2〜3年での導入を予定していました。これらの結果は、2024年までに82%、2026年までに91%がログ管理の導入を計画していることを意味します。わずか5%がログを導入しない予定と答え、3%が導入するかわからないと答えました。
ログ管理を導入しているとの回答は、北米の回答者がもっとも多く(70%)、欧州の回答者はもっとも少なくなりました(56%)。
ログ管理を導入しているとした回答者の3分の2以上(68%)が、オブザーバビリティを導入して自社組織のMTTRが改善したと回答し、そのうち35%は25%以上の改善を報告しています。
加えて、他のどの機能よりも顕著に、ログ管理と30分未満のMTTD/MTTRの短縮との間に有意な関連性を示しています。ログ管理は有意水準5%の範囲で統計的に有意です。
ログ管理は、本レポートで定義するところのフルスタックオブザーバビリティに求められています。
ログ管理を導入済み
機械学習(ML)モデルパフォーマンス監視
MLモデルのパフォーマンスを監視する。
MLモデルパフォーマンス監視を導入済みだったのは、回答者の29%のみで(MLOps、2022年から14%減)、31%が来年の導入を、17%が今後2〜3年での導入を予定しています。これらの結果は、MLモデルパフォーマンス監視は導入が少ない性能の1つだったものの、61%が2024年までに、77%が2026年までにMLモデルパフォーマンス監視の導入を計画していることを意味します。ただし、MLモデルパフォーマンス監視を導入しない予定との回答は13%で、9%が導入するかわからないと答えました。
アジア太平洋の回答者は、現在MLモデルパフォーマンス監視を導入しているとの回答がもっとも多い傾向にありました(86%)。北米の回答者(21%)は、アジア太平洋(8%)、欧州(15%)に比べ、現在MLモデルパフォーマンス監視を導入しておらず、追加の予定もないとの回答がもっとも多い傾向にありました。
MLモデルパフォーマンス監視を導入しているとした回答者の3分の2以上(67%)が、オブザーバビリティを導入してから自社組織のMTTRが改善したと回答し、そのうち37%は25%以上改善したと報告しています。
MLモデルパフォーマンス監視を導入済み
モバイル監視
モバイルアプリケーションとデバイスパフォーマンスを監視する。
5分の2以上(41%)の回答者が、モバイル監視を導入済みであり(2022年から5%減)、25%が来年の導入を、13%が今後2〜3年での導入を予定しています。これらの結果は、2024年までに66%、2026年までに80%がモバイル監視の導入を計画していることを意味します。ただし、モバイル監視を導入しない予定との回答は13%で、7%が導入するかわからないと答えました。
北米の回答者(19%)は、他地域のアジア太平洋(9%)、欧州(14%)に比べ、現時点でモバイル監視を導入しておらず、追加の予定もないとの回答がもっとも多い傾向にありました。
これらの導入計画は、35%が顧客体験管理への注目が高まっていることが自社組織のオブザーバビリティニーズを促進すると回答し、34%がオブザーバビリティにより顧客行動への理解が深まることで収益維持率が向上すると回答している事実と合致します(モバイル監視は、リアルユーザーモニタリング(RUM)およびデジタルエクスペリエンスモニタリング(DEM)のいずれにおいても重要な構成要素です)。
現在、モバイル監視を導入しているとした回答者の約3分の2(64%)が、オブザーバビリティを導入してから自社組織の平均復旧時間(MTTR)が改善したと回答し、そのうち34%はMTTRが25%以上改善されたと報告しています。
4分の1以上(27%)の回答者が、自社のオブザーバビリティソリューションによる主な恩恵はリアルユーザー体験の改善であると回答しました。また17%が、もし組織がオブザーバビリティソリューションを持たなかった場合、もっとも重大なビジネスの結果は、悪化した顧客体験による評判の低下であると回答しました。
さらに、データはモバイル監視と30分未満のMTTD/MTTRの短縮との間に有意な関連性があることを示しています。
モバイル監視、ブラウザ監視、外形監視のいずれか、またはこの3項目の組み合わせが、本レポートで定義するところのフルスタックオブザーバビリティに必要です。
モバイル監視を導入済み
ネットワーク監視
ネットワークトラフィックとパフォーマンスメトリクスを監視する。
約4分の3(74%)の回答者が、ネットワーク管理を導入済み(2022年から31%増)で、これはもっとも導入されている機能の第2位でした。さらに、16%が来年の導入を予定し、6%が今後2〜3年での導入を予定していました。これらの結果は、2024年までに90%、2026年までに96%がネットワーク監視の導入を計画していることを意味します。ネットワーク監視を導入しない予定との回答は2%のみで、2%が不明でした。
北米の回答者(81%)は、アジア太平洋(70%)、欧州(73%)に比べ、現在ネットワーク監視を導入しているとの回答がもっとも多い傾向にありました。
ネットワーク監視を導入しているとした回答者の約3分の2(66%)が、オブザーバビリティを導入してから自社組織のMTTRが改善したと回答し、そのうち33%は25%以上の改善したと報告しています。
ネットワーク監視、データベース監視、インフラストラクチャ監視、またこの3項目の組み合わせが、本レポートで定義するところのフルスタックオブザーバビリティに求められています。
ネットワーク監視を導入済み
セキュリティ監視
潜在的なセキュリティの脅威に関する脆弱性の指標を収集し、分析する
回答者の4分の3(75%)が、セキュリティ管理を導入しており(2022年に34%増加)、最も多く導入されている機能でした。さらに、次の1年で15%が導入予定で、2〜3年で7%が導入予定です。これらの結果は、2024年までに89%が導入予定であり、2026年までには96%がセキュリティ監視を導入予定であることを意味します。導入予定がないと回答したのは2%で、別の2%は不明でした。
現在セキュリティ監視を導入している割合は北米がもっとも高く(81%)、対してアジア太平洋と欧州では72%でした。
これらの導入計画は、2022年と2023年の両方で、セキュリティ、ガバナンス、リスク、コンプライアンスへの注目が高まっていると49%が回答しており、そのためのオブザーバビリティが必要とされている事実と一致しています。IT意思決定者(ITDM)は、それが主要な要因であると答える割がが高く(56%)、実務者は46%でした。それらが主要な要因であると答える割合は北米が非常に高く(58%)、アジア太平洋地域の回答者(44%)やヨーロッパの回答者(48%)と比べてもそうでした。
さらに、回答者の34%が、セキュリティ脆弱性管理が、彼らの組織のオブザーバビリティソリューションによって可能となる主要な利点であると答えました。
セキュリティ監視を現在導入しているという回答のうち、3分の2以上(67%)が、オブザーバビリティを導入してからMTTRが改善されたと回答しており、そのうち32%は25%以上改善されたと回答しました。
DevSecOpsを組織の観察可能性の実践に取り入れることが、セキュリティの改善に最も役立ったのはどのような方法だったかという質問に対しては、次のような回答が上位を占めました。
- アプリケーションのセキュリティと可用性を向上:38%
- セキュリティリスクを早期に特定、低減:36%
- セキュリティチームとの連携を改善:35%
- ソフトウェア開発ライフサイクル(SDLC)の全段階でセキュリティを強化:34%
- 月あたりのセキュリティインシデントの数を低減:28%
オブザーバビリティの実践にDevSecOpsを未導入と回答したのは、わずか4%でした。
セキュリティ管理は、本レポートで定義するところのフルスタックオブザーバビリティに求められています。
セキュリティ監視を導入済み
サーバーレス監視
サーバーレスアプリケーションのパフォーマンスメトリクスとエラーを監視する。
回答者の32%が、サーバレス監視を導入済みであり(2022年から17%減)、28%が来年の導入を、16%が今後2〜3年での導入を予定しています。これは、サーバレス監視は導入されていることが少ない機能の1つだったものの、60%が2024年までに、76%が2026年までにサーバレス監視を導入予定であることを意味します。ただし、サーバレス監視を導入しない予定との回答は12%で、12%が不明でした。
アジア太平洋の回答者は、現在サーバレス監視を導入しているか、導入を予定しているとの回答がもっとも多い傾向にありました(83%)。北米の回答者(17%)は、アジア太平洋(9%)、欧州(13%)に比べ、現時点でサーバレス監視を導入しておらず、追加の予定もないとの回答がもっとも多い傾向にありました。
これらの結果は、回答者の27%が、サーバレスコンピューティングの導入は、自社組織におけるオブザーバビリティのニーズの促進要因であると回答している事実と合致します。アジア太平洋(30%)の回答者は、欧州(23%)、北米の回答者(24%)に比べ、これが要因であるとの回答が多く、同様に、IT/テレコミュニケーション(31.9%)の回答者に多く、非営利組織(15.4%)、政府機関(16.0%)でもっとも少なくなりました。
サーバレス監視を導入しているとした回答者のほぼ3分の2(65%)が、オブザーバビリティを導入して自社組織のMTTRが改善したと回答し、そのうち35%は25%以上改善したと報告しています。
APMまたはサーバレス監視、あるいは両方が、本レポートで定義するところのフルスタックオブザーバビリティに求められています。
サーバーレス監視を導入済み
外形監視
パフォーマンスを予測するため、シミュレーションでの使用を監視する。
回答者の23%のみが、外形監視を導入済み(2022年から34%減。これは対前年比でもっとも減少した機能)で、これはもっとも導入が少なかった性能でした。しかし、29%が来年の導入を、15%が今後2〜3年での導入を予定していました。これらの結果は、2024年までに51%、2026年までに67%が外形監視の導入を計画していることを意味します。ただし、外形監視を導入しない予定との回答は15%で、18%が不明でした。
アジア太平洋地域の回答者は、現在外形監視を導入しているか、導入を予定しているとの回答がもっとも多い傾向にありました(78%)。北米の回答者(24%)は、アジア太平洋(11%)、欧州(12%)に比べ、現在外形監視を導入しておらず、追加の予定もないとの回答がもっとも多い傾向にありました。
これらの導入計画は、35%が顧客体験管理への注目が高まっていることが自社組織のオブザーバビリティニーズを促進すると回答し、34%がオブザーバビリティにより顧客行動への理解が深まることで収益維持率が向上すると回答している事実と合致します(外形監視は、デジタルエクスペリエンスモニタリング(DEM)の重要な構成要素です)。
外形監視を導入しているとした回答者の約3分の2(63%)が、オブザーバビリティを導入してから自社組織の平均復旧時間(MTTR)が改善したと回答し、そのうち36%はMTTRが25%以上改善したと報告しています。
また17%が、顧客体験の悪化による評判の低下が、組織がオブザーバビリティソリューションを持たなかった場合のもっとも重大なビジネスの結果であると回答しました。
外形監視、ブラウザ監視、モバイル監視のいずれか、またこの3項目の組み合わせが、本レポートで定義するところのフルスタックオブザーバビリティに必要です。